以下、散文的に。
- 友瀬的には:十分及第点。
- 戦後を舞台にした、アナクロ的SF冒険活劇。
スチームパンクとまではいかないけど、地底探検や海底2万リーグとか。
ああ、時代的とか動き的には、インディジョーンズなんかも近いか。
- 最近の人からだと『古い』という評価を受けるのでは。
- タイトルで興味を持っていた作品。
ただそれだけに、正直意表は突かれた:
もうちょっと江戸川乱歩的な心理劇を想像していたので。
- だから、第一話辺りはまさに期待通り。
2話以降で『ん?』という感じ。
- マイナスポイント。
- 『少女探偵団という組織』と『明智』が、中途半端になっちゃったなぁ、という感じ。
話の中心である『二十面相』との接点が小さすぎて、
入り込む隙間がなかった、というべきか。
- 言い換えると。
メインエピソードのシリーズが大きすぎる、かな。
やった話は要は以下の3つのエピソード:
- 物語の『起』に相当する『出会い編』。
チコの、思想や技術を含めた、二十面相の『娘』の確立を中心に。
二十面相の最終目標の伏線展開。
- 物語の『転』に相当する、『白髪鬼編』。
二十面相と分かれたチコが、その茫然自失状態から、自分の力で二十面相にたどり着く。
同時に、二十面相の最終目標の1つを明確に。
- 物語の『結』に相当する、『第四形態編』。
チコの『娘』としての自立と、二十面相の目的の1つ達成。
- 正直、白髪・第四形態の各エピソードは、ちょっと引っ張りすぎだと思う:
それぞれもう1話削っていい。
白髪鬼編の最後の『飛行船パニック劇』はもっとあっさりしていいし。
第四形態編の地下道探索〜地下基地対峙〜地上チェイス〜塔での対峙の流れは、冗長すぎてスピード感を失っている。
- ともあれ、ストーリー全体として、上記のような流れなので。
ストーリーの骨となる『二十面相の過去・思想』につながれない明智や少女探偵団は
『承』のところにしか入ることができず。
だから確かに、7〜9話ではそれなりにいい味だしてるんだけど。
- むしろ、チコと二十面相との間の関係が、まだ薄く感じる。
淡々と2年を経過させたというのは、チコの年齢と成長を考えると仕方ないところだし。
別れ方==多くのメンバーの死亡がからむ都合上、あんまりひっぱるとのもまずい、ってのもあったんだろうけど。
それでもその『スキップした2年』の濃密さが伝わりづらいのが、厳しいところじゃないかと。
- 『技術』の伏線面でも、苦しいところがいくつか。
なぜ自らを超人化している女博士は『薬物投与もなし』で生存できているのか。
なぜ教授が『白髪鬼が自分の特異体質によってのみ実現できた』義手を使えるのか。
・・・まったくアレな意見だけどさ。
やっぱり、『おじさん』よりは『おじさま』であるべきだと思うの(笑)
ご意見などがあれば。