概要 †
前述のように、アイリ改は旧作のアイリとは別のデータを持つキャラクター。
データ自体、新規に設計されたものです。
おおざっぱに言うと、『第2世代型のデータ構造に合わせて、再設計されたWraith』ですね。
以前のWraith/アイリが持っていた特性のほとんどは、その内容が全体に底上げされた形で残り。
さらにいくつかの新しい行動が追加されました。
正直使いづらさの目立ったWraithですが、大幅に使いやすくなったと言えます。
各種の変則的行動は、いずれも『判定は弱いが、決まれば決まれば効果はひどい』タイプ。
Mummy/メナスの呪いに通じるものがあります。
言いかえると、これがアイリ改のデメリットともいえるでしょう:
行動種類はあきらかに増えていますが、通常状態でのじゃんけんに使える手は、それほど増えていません。
一度アイリ改が優勢になると、ひどい追い打ちが飛んでくるので驚異ですが、
その状況に持っていくまでに多少の手間がかかる、という感じです。
総合的には、十分上位グループが狙える強さを持っていると思います。
旧アイリとアイリ改。 †
具体的に書いていくと・・・
- 既存の能力で、残ったモノ。
- 盾ひっかけ、足ひっかけは、残っている。
- 精気吸収は、吸収量が1つ増えて『3点吸収』に強化。
以前同様、『相手からの接触』に対しても吸収が行えます。
- 透明化:体力全快が、近距離行動にも存在するように。
- 低級霊もまた、遠距離・近距離の両方に。
さらに効果が圧倒的に強化されました:遅延型の即死術になりました。
- 回避を行うと消耗してしまうデメリットも、引き継ぎ。
- 新規で増えたモノ。
- 鎌による防御(26,4)ができるように。
- 相手の攻撃力を恒久的に低下させる呪い技が追加。
- その他、強化点
基本的にアイリ改は、旧アイリがおこなえていた行動を『より強く』行えるようになっていると言っていいでしょう。
唯一、『Parry状態になると+3して貫通しうる』という能力だけは、削除されています。
ただこの能力は、旧アイリでもあまりうまく機能していなかったので、大きな問題ではない、ところでしょうか。
以上、そんな感じで。
ご意見などがあれば。
『実写』という方式について。 †
某匿名掲示板あたりでは『誰が得するんだ』なんていう声がいくつか見受けられますが。
少なくとも森下嬢のファンは得するんでしょう:実際、参加すると彼女とのスナップ写真が貰えるというイベント周りでは、Web申込で『10冊セット・10枚撮影可能』なんてのがざらに売り切れていたりするんで、侮れません。
今までのQBが『ゲームだけではない、イラスト集としての需要を見込む』というのであれば。
今回のは『ゲームだけじゃない、写真集としての需要を見込む』というところ、でしょうか。
実際、今までのQBは、ゲームに興味が薄い『萌え/エロ絵』目当ての客層を少なからずつかんでいるわけで。
『ゲームに興味が薄い、エロ写真/特定アイドル』目当ての、新規顧客層を狙う手としては、アリだと思います。
友瀬?
友瀬個人としては、写真だろーが絵だろーが、それはどっちでもいいです。
もともと『ゲーム本』を買っているので、データが重要、画像は二の次。
それに、Gargoyleの絵なんかに比べれば、こっちのほうが十分以上に魅力的ですがな(笑)
『実写』の内容について †
モデルさんについての好み問題は、まさに好みの世界なので、置いておいて。
ポーズの躍動感のなさなどに不満を持つ声は、あるようです。
確かに微妙といえば微妙な絵もいくつかありますが・・・
これは、FBIのPhotoシリーズも同様なので、仕方ないところかと。
やはりイラストや動画と違い、写真で動きを見せるのは、結構難しいです。
ここは多少、もめたんだろうなぁ・・・
その気になれば『武器の軌跡を流す』『ダメージページでわざとぶれた絵にする』など、
レタッチすることで、多少の動きを表現することは可能だろうけど。
それは、グラビア写真としては、ちがうもんね。
装丁の差について、まとめ。 †
ともあれ、今回のアイリ改の装丁は、従来のLW/QB作品とは以下の点が大きく異なります。
- ゲームで使う32ページ分の画像に含まれない、純粋なグラビアページがある。
- 一部、見開きのページがある。関連して、データマトリクスの置かれ方が変則な場合がある。
- 文字ばかりが記述されたページは、一切ない。
- DVDが添付される。
正直、1つ目の特徴について最初に聞いたときは、いい意味で驚きました。
これは別に実写でなくてもできる装丁変更なので・・・
例えば、QB1のころに表紙3あたりに書かれていた『人物関係図』『会話サンプル』みたいなものを、
純粋にこういうページたてしてつけることも可能。
他の例では、そのキャラ用のショートストーリー小説/マンガ類をつけるとか。
他のキャラの特殊な攻撃を受けた場合のスペシャルページ絵をつける。
・・・などなど、LWシステムの32ページの制約を超えた新たな余地がある、ってことですから。
コロンブスの卵だと思いました。
残念だった点:装丁にからんだ悪影響。 †
そうは言っても良い点ばかりではなくて。
装丁自体は、ゲームとしてみた場合、苦しい点が多いのは避けられない感じです。
ゲームブックとして見たときに、気になったこと。
- キャラクターの、行動説明のテキストがない。
- 従来キャラクターシート裏に書かれていたモノ。
アイリ改では、キャラシート裏はLWのルールになっています。
- 特にアイリ改の場合、吸収などの特殊ルールが必須なので、削られたのはそれなりに痛い。
- おそらくは、グラビア写真集の流儀につられたところ:
本誌上に『文字だけ』ページを置くことができなかったのでしょう。
- 見開きページ。
- 単純に、ページ検索が難しくなりました(笑)
『2ページ先』と考えてめくったのに、出てこないわずらわしさ。
- これもグラビア流儀的に仕方ないところ。
大サイズで置きたい絵and/or横長に置きたい絵は、当然あるでしょうし。
- データマトリクスの変則的配置。
見開きに関連。
- 見開き故に『開いた2面のうち、1面側にしかマトリクスがない』とか。
いつものページ下側ではなく、90°回転した上で柱側にあるとか。
- これも、写真にかかわるんでしょうね・・・
本の高さをフルに使った写真を置きたいときは、あるでしょうから。
総じて。
『ゲーム中心でゲームのための固定レイアウトがあり、絵はパーツとしてそれに従う』ゲームブックと。
『写真を見せることが中心であり、それを生かすレイアウトを作る』グラビア誌と。
それぞれの作法差・流儀に起因した衝突があったんだろうな、と察します。
おそらくは写真集側から見ても不満はあるのでしょう・・・妙にアングルを限定した、変なポーズ類とかね(笑)
個人的には、特に、キャラクターシート裏面の行動説明&スペシャルルールがなくなったのが大きいかな。
昨今のFBI本でも書かれていないことは多々あるので、それに従ったといえばそれまでなんですが・・・
これまでのQB/QG作品では『FBIキャラからのコンバートでも、きちんと追加修整して』出していました:
この点は、高く評価していたので。
# 今まで公言したことはないはずなので、『褒め下手』ネタですが(^^;;;
ご意見などがあれば。