日記/2016-03-19
雑記:やっぱりTwitterは論議主張には向かない。 †
先日 Twitした内容に対してコメントがあり、でもその内容が Twitter ゆえの理由でかみ合っていないと思われる内容でした。
そのあたりの話について、こっちにちょっと書きます。
Twit 上の話を単純にまとめると、以下のような感じ。
- 発端。女の子が性的暴力事件にあったという報道。
- 女の子が出会い系サイトに自分を登録。
そこで知り合った男性とリアル接触して、犯罪にあった。
- 女の子が出会い系サイトに自分を登録。
- とある漫画家さんがこれに対して「女の子の責任」について言及。
- それに対して「悪いのは犯罪者で女の子じゃない」的炎上発生。
- 炎上を受け、とある漫画家さん反省謝罪実施。
- その謝罪に対して「彼には女が悪い認識バイアスがある」云々というコメント。
- 友瀬コメント1概要:犯罪者が悪いのは間違いないが、女の子も警戒心が足りない
- 友瀬コメント2概要:女の子に落ち度がないというのは「オレオレ詐欺に引っかかった人に落ち度はない」というのと同じだ
- 友瀬コメント2に対して、突っ込み。
オレオレ詐欺は「被害者側の振込み行為」がある、性犯罪は相手だけで成立。同一視するのはダメじゃね?
確かに相手の行為だけで発生する犯罪は多数あります。
例えば、道を歩いていたらいきなり背後からナイフで刺される、なんて普通警戒しないでしょう。
痴漢の類もそう:現実問題として「痴漢を避けるように電車に乗る」のはかなり難しいと思いますし。
その意味で、突っ込み氏の論は正当です。
でも、友瀬のコメント2は上記の流れの上にあるので。
「女の子が出会い系サイトを使って見ず知らずの男性に会いに行った」というのが出発点。
『騙されて信用して』「振り込んだ/会いに行ってしまった」点、
そして『信用基準に落ち度がない?』という点で同一視しているということです。
そういう観点において、突っ込み氏の意見は「友瀬的には話の筋からずれている指摘」ということになります。
もちろん、これは突っ込み氏が悪いわけではないです。
Twitterは本来「上記の箇条書き1行ごとにしか見ることができない」ツールなのです。
上記のような流れを全員が把握していると思うほうが、過剰な要求をしている。
そういう意味で「長文論理に基づく対話」には向かないツールかな、と。
という Twitterの話はこんな感じにて。
ご意見などがあれば。
雑記:一般論と個別案件。 †
続けて。前述の記事での話題となった、本筋的な話について。
「被害者側の落ち度」絡み。
あ〜。先に言っておきますが。
- 「すべての犯罪を一般論的同じ論理で語れるか」というと、無理はあると思います。
- 「被害者が悪い・自業自得だ」なんていう気もありません。
- セキュリティにも関わることの多い身としては、一般論的にはこう言わざるを得ない、というところです。
犯罪に関して言えば、まちがいなく「加害者側が悪い」。
でも、例えばオレオレ詐欺について言えば、これだけ話題になっている現代でみすみすお金を振り込むのはどうなのか。
そこに「落ち度はなかったのか?」という話はあるわけです。
別に「だから被害者が悪い」という気はありません。
正直、友瀬の職業病的部分が大きいです:セキュリティに関することを検討することも多い身なので。
保護すべきモノが何かを見極め、それに対してどんな脅威があるか想定し、それにどう対策するのか。
セキュリティの基本中の基本です。
繰り返しますが、犯罪は間違いなく「仕掛けた側が悪い」です。
ですが、もしそこで「相手が悪いんだから」とあきらめる/られるかといったら、それも違うでしょう。
相手が悪いのだから、裁判でもすればお金はある程度戻ってくるかもしれません。
でも往々にして、犯罪で失ったもの:精神的・肉体的損害や時間は取り返せません。
詐欺などでの金銭ダメージも、まず取り返せないでしょう。
犯罪被害でそういった大切なモノへのリスクを押さえるために、セキュリティの考え方は必要なんです。
ばかばかしいところがあるのは、否定しません。
一部の犯罪者のために、健全な人が余計な労力を払わなければならないのは、正直どうよと思います。
また、警戒できることにも限界があるので、これをやっていたから100%安全と言えるわけでもないです。
でもそれがセキュリティなんです。
現実問題として、それをやらないと危険なもの・それによって守れるものはあります。
何度でも繰り返します:悪いのは「犯罪をした側」です。間違いなく。
でも例えば『あのときxxxしていれば』という、自分の落ち度に後悔しないですかね。
ここまで書けば、「オレオレ詐欺」だろうが「性犯罪」だろうが、本質は同じだということはご理解いただけますよね?
「知らない人について行っちゃいけません」なんてのは、大昔から言われている当たり前の自衛策です。
昨今のいろいろ『過激』な創作物の存在を思えば、中学生くらいになれば
『自分の大切にすべき資産』や『それに対するリスク』に気づいていない女の子のほうが少ないと思っています。
出会い系サイトに登録したとき。その相手と会うことを決めたとき。その相手と2人きりになりそうになったとき。
残念ながら、セキュリティ的にはお勧めできない判断をしたんじゃないか、と思います。
なお。
被害者にさらに精神的追い討ちをかけるいわゆる「セカンドレイプ」的な観点において。
友瀬の論理が「正論ゆえに悪だ」といわれたら、それは甘んじて受けます。
一般論と個別の案件は、切り分ける必要があります。
一般論的正論が、個別案件の「ミスを自覚している」人に痛いのは、申し訳ないですが仕方ないです。
いろんな理由で「わかっていても回避が難しい」ケースがあるのも否定しませんが、それもまた個別案件となりうる部分です。
例えば一般的に言われる「暗い夜道は危ないよ」的な話。
でも「自宅周辺に街灯がない」ような家に住んでいる人には、難しい話です。
「暗くなる前に帰れ」ばいいと言っても、そうも行かないケースもあるでしょうし。
でもそういう個別案件での条件をして、一般向けに「暗い道/遅い時間の移動は安全な行為」とはいえないですよ。
ちなみにね。
件の漫画家さんに突っ込んでたフェミニストの方の論理も、どうかな、と思うわけです。
件の漫画家さんに対して「女の子は性犯罪に巻き込まれるものという認識がある、ゆるせない」的に突っ込んでいるわけですが。
この漫画家さんの判断、女性蔑視なのでしょうか?
女性が女性ゆえの「死ぬよりつらい」犯罪にあうことは、その犯罪が正しいという気はまったくありませんが、古来からしばしば発生している事実です。
この事実をして「だから女の子は気をつけなきゃならない」という指摘は、間違っていないと思いませんか?
「性犯罪をする相手が悪い、女の子は悪くない」という主張は真ではあります。
だから「犯罪者を正すべき」というのもまた、間違いなく真です。
でも「被害者側は何も変えなくていい」というのは、セキュリティ的には、被害者の価値を認めていないまったくもって許されない主張です。
漫画家さんのほうが、よっぽど「女の子を尊重している、親切な態度」だと考えます。
これをして「男と女とで扱いが違う、女性差別だ」とかいうのがフェミニズムなら、友瀬はそんなものいらないです。
友瀬なりのフェミニズムで行きたいです。
ご意見などがあれば。