1段階はゲーム開始時の距離で、明示的に遠距離/Extended Range と名づけられています。
もう1段階は特に名をつけられていない、俗に『近距離』と呼ばれる、通常の距離。
LWシステム上、近距離で実施できる行動は24種類がありますが、
その中で『相手から遠ざかる』手段は、たった1つ:『とびすざる(行動16)』しかありません。
#もちろん、コメント指定の特技や、魔術類は別です。
つまり、距離をとりたい場合は行動16を実施するしかないわけです。
考える余地は、ありませんね。
対して、相手を離したくない場合。
これもある意味明確です:離れるための行動は16だけなのですから、これをつぶすことができればよい。
行動16は、いわゆるJump/移動カテゴリに分類される行動で、LWシステムの『じゃんけん』上、明確に苦手な行動が決まっています。
すなわち:突き系の行動( 32, 14, 6, 22) で、これらは行動16に対して『勝ち』、一方的な有利を得られます。
ただし。
単に『距離を離したくない』というだけならば、突き以外にもいくつか、近距離を維持できる行動があります。
以下、解説も含めて列挙。
- キック(34)。
- ただしこの場合あなたは、バランスを崩したり転んだりしてしまいます。
『蹴ろうとしたら空振りして、勢いあまって』という状況です。
- この場合、相手は1ページ(近距離さがるイラスト)になっていることが普通。
そこには修正値ボーナスがつくのが一般的なので、手痛い反撃のピンチといえるでしょう。
- ある程度の威力を持つダウンスイング(24,36)。
- ただしこの場合も、キック同様にバランスを崩したり転んだり。
特に大振り(36)では、転ぶキャラが多いようです。
- 相手が1ページなのも、キック時と同様。
- 強打系のサイドスイング (28,40)。
- ただしこの場合、あなたは相手に背中を向けてしまいます。
これも空振り→勢いあまって回転、の結果です。
- 武器を拾う(46) でも近距離維持。
- この場合、武器を拾うことに成功。
攻撃してこない相手を前に悠々と、というところ。
見ればわかるとおり、これらのケースでは距離は開かないものの体勢は一方的不利。
どちらかというと『さがるのを読んで、離脱を阻止できた』というよりは、『的確に読まれ・かわされて、大きな隙を見せた』ようなケースといえます。
それでも距離が離れいていないのは事実なので、例えば『Zombie/QBRヴァンテの、3ターン以内に遠距離に離れられなかった相手を倒す』系統の行動では一定の効果が期待できることになります。
ご意見などがあれば。
- The genius store called, they're runinng out of you. -- Marcia
LWシステムの行動16には、実は2つの役割・意図が混ざっています。
1つは、『距離をとりたい』という意図。
もう1つは、『スイングをかわして有利に反撃』という意図。
1つの行動に複数の異なる意図が入っているため、そのそれぞれの意図に反する状況があると、おかしな・理不尽なことが発生します。
それが今回、友瀬のいう『闇』です。
ボクシング的にいうと面白いかな:相手の攻撃を『後ろにかわす』と言っても、インファイターとアウトボクサーとでは、意味が違います。
インファイターは『相手のフックやアッパーをスウェイバックでぎりぎりかわして、近距離維持したまま素早く反撃』したい。
アウトボクサーは『相手の攻撃をバックステップでかわして、アウトレンジ状態』としたい。
LWシステムの行動16には、『スイングをかわす』という目的・用途があります。
これは前述のインファイター的な考え方でしょう。
そして同時に行動16には、『相手との距離を開く』という目的・用途があります。
これは前述のアウトボクサー的な考え方です。
・・・矛盾・混乱の元が見えますよね。
例えば相手の上段スイング(10)に対して16を実施すると、その結果は普通57ページ==遠距離に離れます。
これは『ぎりぎりかわして反撃したい』近距離キャラにとっては、うれしくない。
逆になるケースもあります:例えば、相手の大振り(36) に対して16を実施すると普通1ページ==『近距離を維持、次行動に修正値ボーナス』となります。
これは『距離をとることを重視したい』遠距離キャラにとっては、うれしくない。
個々のキャラの話ならば、スペシャルルールで対応することも可能ではあります。
例えばアウトボクサータイプのキャラならば、距離を離せないケースは相手がバランスを崩しているor武器拾いケース、すなわち『離れて仕切りなおす時間がある』ので、
1ページのコメントに『双方57ページを開く。』とすれば、それほど理不尽ではありません。優位を捨てて距離を取った、といえるわけです。
インファイターの場合は、遠距離になると『相手がどういう空振りをしたか』という体勢情報が消されてしまっているのでやや難しいですが、コメント・再判定処理をうまく使えば、全く不可能というわけではありません。
でも、場合によっては、インファイター/アウトボクサーであっても、自分のスタイルとは異なる選択をせざるを得ないケースもあります。
例えば Zombie/QBヴァンテの『特定攻撃を食らった相手は、3ターン以内に遠距離に行かないと負け』というような能力。
こういうケースでは、たとえインファイターでも、とりあえず一度遠距離にいきたいはず。
でも、相手が大振りすると、『攻撃を回避できているにもかかわらず、距離を取れない』ということがおきる。
QBメルファの束縛なども、似たような問題を抱えています。
こういうケースを考えると、どのキャラでも共通に『この組み合わせでは、あなたが近距離・遠距離を選べる』というようにするのがリアルではありますが。
当然、プレイアビリティは下がってしまう。
そういう意味では、現状のLWシステムも割り切り点としてはアリなんでしょうが。
難しいところですね。
ご意見などがあれば。