アニメ:リリカルなのはStrikerS
TV放送完結したので、地道にまとめ。
とりあえず当面の所感を書いて、今後はDVDを見ながら適時更新。
・・・つーか、無印&Asも書かなきゃならん気はした(笑)
当然のことながら、ネタバレがかなり。
エピソード概略 †
1〜3話(DVD1巻分) †
起承転結の「起」。状況説明、キャラ説明。
実質のメインヒロインとなるスバル・ティアナの紹介。
StSのメイン舞台となる世界観・今後の動きの暗示。
主人公チームの存在目的、当面の敵、その他もろもろ。
さすがに前作(なのはAs)から10年とか言っているだけあって、ある意味まったく新規の作品でもおかしくないくらい、丁寧に説明はしていると思った。
同時にこの3話の構成は、StS全体の構成:背景にある巨大なベクトルと、それと微妙に向きが違う登場人物各々のベクトルを、まとめて1本の話にしているという、ある意味象徴的なつくりになっているとも思った。
まあとりあえず言えることは、だ。
これもまあ、シリーズ全体を通していえることではあるが、タイトルと内容のギャップ、大きすぎです(笑)
確かに妙齢のおねーちゃんの下着姿とかでてくるけど、これは決して「魔法少女」じゃない。
「フルメタルジャケット」とか「プラトーン」のノリです・・・「ビリーズブートキャンプ」かもしれんが(笑)
スバル&ティアナコンビの性格付けがわかる第一話。
これを見て彼女たちがヒロインだと思わない人はいないだろう。
第二話は、前作キャラたちの今シリーズでの立ち位置がわかる。
突っ走るはやてと、それに優しく激しく付き合うなのはとフェイト。
・・・新人なのにざっくり流されたエリオ・キャロの扱いが、今後の彼らの扱いを実に暗示している(^^;;
以上ここまでの2話が、群像劇の登場人物の方向性説明とすれば。
3話は機動六課の立場==群像劇全体のベクトルを示す話。
登場人物にはそれぞれ私的な目的があるが、同時に彼らは機動六課という巨大な流れの中に立っているわけだ。
4〜6話(DVD2巻分) †
状況はわかったね、ではドラマ始動、という感じの部分。
事件が起きて、なんとか乗り越えて、だんだんと敵の詳細が見えてきて。
任務を通じて、新人4人もなんとか戦っていけそうな感触が。
でもやっぱり、隊長格との力の差は段違いだね。
でもそれでも、新人たちの頭数があってはじめてできることがあるね。
・・・そんな感じが見えてくる。
とりあえず初期出撃。
お約束の変身シーン・・・のはずなんだけど、びみょ〜にお約束じゃないのが「なのはシリーズ」か。
特にスバル。ガキョンガキョンっていう効果音だとか、拳を胸前で打ち合わせるとか、肘を腰タメで構えるポーズとか、どーみても巨大ロボ系(笑)
まあ効果音はもともと、レイジングハート&バルディッシュでもおんなじ感じだったからよしとしよう(^^;;
・・・いわゆる魔法少女的変身で、男の子(エリオ)の変身が見れるってのも貴重かもしれん。
いや、別に友瀬にそーゆー趣味はないですが(^^;;
3話まででは不遇だったエリオ&キャロ、ここでフォロー。
訓練中・出撃シーンと、殺伐とした中で素直な Boy meets girl をやってるのがほほえましい。
戦闘もわりと熱かったしね。
敵側に人間の姿が。同時にここで初めて、フェイトのStSでの動機付けが見える。
7〜9話(DVD3巻分) †
ティアナ編といっていい3話。
1人で3話もらえるなんて・・・エリオキャロに1話くらいあげなさい(笑)
ともあれ、 以前の日記にも書いた、ティアナとなのはの苦悩の物語。
勝気で相応に実力があって、でもあくまで努力で積み上げてきた、凡人の強さ。
周囲は超人&超人予備軍ばっかりに見える中では、凡人にはやっぱり努力しか残らなくて。
でも教える身からすると、その「教えた内容を含めた周り」を省みない偏った努力で。
StSでのサブメッセージ「魔法少女、育てます。」の、まさにコアになる話。
「よかれと思って意見を言う」育てたい・親側と、
「言いつけ通りにやるのは嫌」という育てられる・子供側。
ある意味、永遠の普遍的テーマだしね。
正直この3話だけでも、見る価値はあると思う。
・・・と、これだけ推しておいて、つっこみはいちおー。
9話、なのはの過去話。
無印&Asからの場面抜粋ではあるんだけど、論理的にはアレな場面が。
ユーノ&なのはの出会い〜初期戦闘のあたりは、誰も撮影なんてできなかったはずだぜ(笑)
他の日常シーンあたりはともかく。
・・・突っ込むのはヤボだって?(^^;;;
10〜12話(DVD4巻分) †
ティアナ編を終わって、物語を本筋に戻して。
敵側の人員紹介という感じのエピソード。
9話まででは、実質自動兵器のみが実働隊、ボス格は顔がわかる程度の話しかなかったが、ここでそれ以外の本格部隊出現。
まあ機動六課の前線が隊長格4人+前線4人の8人なんだから、敵にもそれ相応の人数を置かないと話にはしづらいのは確かなのだが・・・
一気に敵人数が増えたので、把握するのが大変になる。
特にナンバーズは、ちょい顔みせに近いところがあり、ちょっとわかりづらい。
10話は『休暇』の名目で始まる、平和な感じ。
ただ、ここでもティアナ&スバルとエリオ&キャロの扱いの差が(^^;
一応多少の雑談はあったにせよ、やっぱりメインはスターズなんだね。
11〜12話につながるたたみかけるような展開はよい。
豪快な大砲の打ち合いは『なのは』シリーズ独特のよい点でも悪い点でもあるが、それだけだと単調になるのは事実。
そこを『小粒な新人部隊』や『単純な火力ではどうにもならない敵==壁抜け』のを置くことで回避努力しているのは、好評価。
格差をうまいこと見せていると思う。
はやて19歳、StS初変身&マップ兵器としての力で大活躍。
・・・しかし変身バンクはなし(笑)
13〜15話(DVD5巻分) †
1クール終わって、折り返し==転のステージ。
隠されていた情報・増えた情報もあわせて、機動六課全体&その各人員の方向性の再定義。
『事件』というには大きすぎる、機動六課の本当の『敵』を知る一同。
ヴィヴィオという『子供』を得て、『先生』に加えて『母』という立場を持つことになるなのは。
戦闘機人、Fの遺産、などなど・・・
16〜18話(DVD6巻分) †
19〜21話(DVD7巻分) †
22〜14話(DVD8巻分) †
25,26話(DVD9巻分) †
総括 †
まず。タイトルに「なのは」を関してはいるが、これはあくまで「シリーズ」であることをまとめる符号。
StSではあきらかに、なのはは物語を引っ張る立場にはいない。
主人公というよりは、サブキャラに近い位置。
で、ドラマとして。
1つの巨大事件を取り巻く人々による、ミリタリーな巨大群像劇。
多数の人間をよく描いていると思うが、その構成上少々展開が散漫・鈍くなってしまったのが欠点か。
作品全体の尺は全26話と、最近のドラマとしてはかなり長丁場。
だが、登場人物も相応に多く、かつそのそれぞれについてドラマが描かれているため、1人あたりのボリュームは決して余裕はない。
1つの事件の流れを背景に持つという時間的制約が、全員のドラマを完全に描くという構成とぶつかってしまい、後半ちょっとダレ・緊迫感に欠けたように感じる。
実際振り返ってみると、「最終決戦・タイムリミット1時間」という状況で第20話が開始、その決戦が終了したのが26話前半。
構成上仕方ないところはあるが、ちょっとひっぱりすぎだと思う。
ただし、これだけやっただけあって、個々のキャラのドラマはかなりきちんとできていたと思う。
あとこの作品でよく考えてあるな、と思うのは、バトル作品にありがちな『インフレ』問題をうまくさばいているところにあると思う。
考えてみれば、無印&A's時代がすでに『無敵の超人』ともいえるような人たちのバトル作品。
その10年後なんだから当然もっと強くなってて当たり前、そのまま素直にやったらまさに『敵のインフレ的強化』が必要になる。
その問題をStSは大きく2つの点で回避している。
1つは政治的側面を利用して、『強キャラに戦闘力リミッターをつけて弱く』。
そしてもう1つは『集団戦闘に持ち込み、1対多にして苦戦させる』。
だから結局、敵の1人1人はそんなに強くなくてよいのだ。
実際、新人であるティアナが1対3で勝てるような相手が、敵のサブリーダー格だし。
中には竜を召喚できるとかいうインチキな人もいるにはいるけどさ(笑)
ともあれこの結果、無印&A's時代の『バトル』を期待した人にはちょっと残念なところもあるとは思った。
個々人のドラマの概要、起承転結風に。 †
スバル †
実質ヒロイン、その1。
- 幼いときに知った、理想の女性。わたしもあの人のように、強く、皆を救う道を進みたいと願った。
- 願いが叶い、理想の女性の部下に。半人前なりながらも。失敗しつつも。少しずつ、強くなれてきた。
- 戦いの中で家族を奪われ、一時「救う道」を忘れた。そして悔やむ。わたしの求めているのは強さだけじゃなかった。
- 救うために戦って。そして姉を、上司を救うことができた。
・・・これからも、この道を進んでいく。力なき人たちのために。
ティアナ †
実質ヒロイン、その2。
- わたしの目指す場所は決まっている。兄の背中。それに向かってわたしは一直線に進む。
- 配属された部隊はエリートぞろい。でも凡人の私は、いつも努力で「できる」ことを証明してきた。今回も同じ。
- 努力して無茶をして、周りが見えなくなって。その危うさに気づかされて。一歩下がってみよう。
- 最終決戦、一人追い詰められて。でも周りをみることで、なんとかその危機を乗り越えて。
・・・わたしの目指す場所は決まっている。少し回り道をしたけど、わたしはこれからもそこを目指す。