本質的には、PC上での原稿デザインが容易になった、ってのが大きな話だと思う。
その結果、自由なカードを生産する需要が増え、そのための手段がいくつも増えた。
- 方式1:自前でカードを印刷。
- 文字通り、自分で印刷する。
- ちょっと大きな文具店・電気屋に行けば、名刺印刷用の紙が簡単に手に入る。
これに印刷することで、いとも簡単に名刺サイズカードを量産できる。
- 弱点は、自宅にプリンタが必要だということ。
その意味で、初期投資がそれなりに大きい。
個人的偏見込みで、レーザープリンタ必須。理由は以下:
- 量産時の作業性:インクジェットはインクの速乾性に難がある。
そのため、印刷後の紙の取扱に時間がかかる。
- 保存性:インクジェットでは防水性能に難があるケースが多い。
また、インクというモノの性質上、長期的な退色について保証が弱い。
- 上記はいずれも改善されつつあるのは知っているが、
レーザープリンタではそもそも本質的に問題がない。
- もう一つの弱点:カードサイズ。
現時点で簡単にできるカード状の用紙は、『名刺』サイズ一択になってしまう。
具体的には 55mmx91mm。
- ゲームの内容によって、より小さい・より大きいサイズを使用したいことはある。
データ量が少ない場合には『余白』にすればいいが。
データ量が多い場合に大きい側に倒せないのは厳しい。
- 適当なカードスリーブがないのも、多少の弱み。
- 方法2:印刷屋を使う。
- 自宅印刷同様に、名刺として生産することもできるし。
昨今は『トレーディングカードを同人で作りたい』需要から、そういうカード印刷を請け負う業者もいろいろある。
- 名刺印刷では『カードゲームのような多彩なカードを含むデッキは印刷できない』ように見えるが、これは発想を考えれば済む話。
例えば『54人分の名刺を100枚ずつ』印刷することは、『ジョーカー2枚を含むトランプ100組』を印刷したのと等価。
100種のカード100枚ずつで印刷すれば、必要なケースも手に入るだろう。
もちろん『100セットを自分でソートしなければならない』という追加の手間はあるが。
- 最大の弱点はロットというハードル。単価にも関わる。
小ロット印刷を受けるところもあるが、多数刷らないと効率が悪い。
- 極端な話、100セットくらい刷ればそれなりに値段も下がるが。
弱小同人がその数をさばくのは、結構厳しい。
- 参考:2011.Aug.5調べ。
某P社:トレカ(63mmx89mm)。『カード100種、100部』で \76,760。カラー。
某P社:テレカサイズ(54mmx86mm)。『カード96種、100部』で \63,320。カラー。
某M社:名刺(55mmx91mm)。100枚カラーで\790。モノクロで\490。100セット作るつもりならこの100倍。
採算を考えると、カラーを入れるとどう少なく見積もっても1セット1000円超え、1500円クラスは避けられない。
無名同人という背景にこの額は、かなり大きなリスク。
その意味でこれだけの金を捨てるつもりが必要な、かなり勇気がいるレベル。
本題じゃないけど、いちおーついでなので、思い出話的な。
友瀬がそのカードゲームを作った当時は、まだ WebどころかWindowsPCが一般的ではない時代。
友瀬自身、持っていた印刷手段はポータブルのワープロ専用機でした。
2行x60文字くらいの、細い液晶画面の。
当然、その電子上で凝ったデザインなんてのはできなかったので、基本枠&レイアウト印刷のあと、最終的に切り貼りもして原稿作成。
それを元に、大きい文具店で買った色ケント紙に、コピー機で印刷。
A4紙に16枚レイアウトだったかな。
カード100枚のゲームだったので、上記16枚シート6枚+4枚シート1枚。
4枚シートは、16枚シートを4つに切ったやつね。
何セットかは100枚全部切ったけど、正直嫌になって止めた(笑)
最近 Witches で航空機カードを切断したとき、あのときの苦労を思い出したよ。
Witchesでは、1セットA4シート1枚上にカード14枚:1シートあたりの切断量は似たようなもんなんだよね。
ご意見などがあれば。