日記/2014-05-23
2014-06-03 (火) 06:22:58 (2418d)
雑記:プレイ雑感:OLYMPOS †
久方のゲームレビュー。
なんか以前にやってから、ずいぶん間があきました:
普段集まると、どうしてもRPGや「いつもの」枠が多いから、仕方ないんですけどね。
というわけで、この記事では:
フランス Ystari Gamesの『OLYMPOS』について、です。
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ゲーム概要 †
- いわゆる『文明の曙』的、ギリシャ周辺での文明発展競争ゲーム。
類似ゲームに比べると、ファンタジー色が濃い。- プレイヤーは1つの文明勢力。
- 特定の手番を消化した後の状態で、もっとも『発展』していたプレイヤーの勝利。
- プレイ環境について
- プレイ人数3〜5人。恐らくは4人が適正。
- プレイ時間:2時間程度か。
システム概要 †
この手の『文明発展競争ゲーム』はいろいろありますが。
それらに共通しているのは、以下のような基本骨格でしょう。
マップ上の土地を確保し、そこから手に入れるリソースを使って『文明』を『購入』。
購入した文明による特殊効果を生かしながら、さらに進んだ文明を購入・・・
というように発展させていく。
その意味で、これも同じ骨格を持つゲームです。
で、このゲーム独特の要素といえるのは、大きく2つ。
『アクションポイントという概念』と、『神の介入』、でしょうか。
- アクションポイントという概念
- このゲームでは、プレイヤーが行動を実施すると、
その行動に応じた『アクションポイント(以下AP)』を消費します。
例えば『陸上を1エリア移動⇒1AP』、 『海上1エリア⇒2AP[』 『他プレイヤーのエリアで止まる(戦争)⇒戦力によって1〜3AP追加』
『文明購入⇒7AP』というように。 - 重要な概念:このゲームでは、
『ゲームを通じて実施した
アクションポイントの総量が少ない人が次の手番を実施する』
仕組みになっています。
そのため、実施する行動によってはあるプレイヤーが連続して行動を実施することが起きます。- 具体的な例:PL1,PL2同じAP消費状態でいたとしたら。
『PL1が文明購入⇒7AP』
『PL2が1エリア移動+戦争⇒3AP』・・・まだPL1よりも消費総量が少ないので、またPL2の手番。
『PL2が1エリア移動+戦争⇒3AP(合計6AP)』・・・まだPL1より少ない。
『PL2が文明購入⇒7AP(合計13AP)』・・・今度はPL1が6AP分、手番を実施。
- 具体的な例:PL1,PL2同じAP消費状態でいたとしたら。
- いくつかの手段で、行動に必要なAPを減らすことができます。
- この仕組み、以前にレビューした レッドノベンバーを救えとほぼ同じですね。
- この通算消費APが一定量を超えたら、そのプレイヤーはゲーム終了です。
- このゲームでは、プレイヤーが行動を実施すると、
その行動に応じた『アクションポイント(以下AP)』を消費します。
- 神の介入
- ギリシャ近辺マップだったり『OLYMPOS』というタイトルからわかるように、
ギリシャ神話の神が介入してきます。
- ちなみに余談ですが、マップには『アトランティス』の島々も存在しています。
多くの文明発展ゲームがわりとリアリティをもっているのに比べると、 かなり独特といえるでしょう。
- ちなみに余談ですが、マップには『アトランティス』の島々も存在しています。
- 上記の総APが一定量を超えるたびに、神カードが公開されます。
で、神は各文明の信仰状況に応じて、メリット・デメリットを与えます。- 例えば『信仰がもっとも深い勢力に、資源1つを提供』
『信仰がもっとも浅い勢力の人民を1つ除去』など。
- 例えば『信仰がもっとも深い勢力に、資源1つを提供』
- ちなみに、アテナイはそこを占領しているだけで信仰1レベルを得られます
- ギリシャ近辺マップだったり『OLYMPOS』というタイトルからわかるように、
ギリシャ神話の神が介入してきます。
多くの『文明発展ゲーム』同様、購入した文明にはそれ相応のメリットが存在しており。
それをうまくコンボさせることで、ゲームを有利に展開できるようになります。
その他話題になったこと †
- 正直、ちょっとルール説明・翻訳が微妙でわかりづらいことがありました。
- ある意味わかりやすい誤訳の例としては、信仰を記録する
『稲妻トークン』というのがあります。
これ、原文では『Zeus』となっています:ゲーム背景から考えると 『ゼウストークン』とでも訳すべきところ。
雷神でもあるZeusから、zeus ==稲妻という意味があると思われ。
- ある意味わかりやすい誤訳の例としては、信仰を記録する
『稲妻トークン』というのがあります。
- やっぱり特徴的なシステム部分は、要注意ですね、という感じ。
- ゲーム展開的には、如何にAPの無駄をなくすか/APを減らす効果をうまく使うか、
というところが大きそう。
ただし、それを取得する手段とのバランスは要検討。- 例えば馬術は『陸上ならばどこまででも1アクションで移動できる+1回だけ任意アクションを2軽減』という文明。
他プレイヤーがたどり着くのが難しい土地を押さえられるので有利だが、 これを得るためには7APが必要。
2アクション軽減ということを加味してもこのためだけに5AP消費したことになる。
つまり、『普通よりも5歩以上多く移動』しなければ、本当の意味でお得とはいえない。- もちろん、文明はそれだけで勝利点になるので、まったくの無駄ではないが。
- 他の例では、武器は戦闘を有利にしてくれるが、それは『攻撃時のアクションを1有利に』することに限られる。
積極的戦争を仕掛けるためだけでは、購入したAPを巻き返すことは難しい。- ただし武器については、相手の攻撃を抑止する効果が非常に大きいため、 多数の戦争するつもりがなくてもおさえる価値はある。
- 『特定素材を必要とする文明購入を2アクション軽減』のカードがかなり重要。
通常文明購入に必要なAPが7のところ5にできる==これを使って3つ購入できれば、 『ないときに比べて追加で1つ購入できる』くらいになるわけだ。
- 例えば馬術は『陸上ならばどこまででも1アクションで移動できる+1回だけ任意アクションを2軽減』という文明。
- 信仰は・・・神の介入が非常に強力なので、無視するのは危険すぎる。
- 往々にして、APでは置き換えられない結果が生まれるのが危ない。
例えば、マップ上における人民コマは通常4つ&特定条件での文明購入時にボーナスで得られるだけで、任意に増やすことは難しい。
が、神はそれをあっさり『除去』してくる。
- 往々にして、APでは置き換えられない結果が生まれるのが危ない。
- 文明発展系のゲームには珍しく、プレイヤー間トレードのルールがない。
- もちろん交渉での実現の余地はあるとはいえ、
素材を得るためにはある程度戦争をしなければならないデザインともいえる。
- もちろん交渉での実現の余地はあるとはいえ、
素材を得るためにはある程度戦争をしなければならないデザインともいえる。
まとめ †
- ゲームとして:10点
- 非常にテンポよくプレイできる好ゲーム。
- 1手番にできることを絞ることで、チェスや将棋をするような、待ち時間の少ない『交互プレイ』感があり。
それでいて、うまく時間圧縮することで『怒涛の連続攻撃』を仕掛けることもできる。 - この手のゲームとの比較ばかりになってしまうが。
一般に文明系ゲームは時間がかかるビッグゲームになる傾向があるが、 これは2時間くらいで進められ、それでいて十分に文明発展の味がある。- よくいう『省略と強調』をうまくできている事例だと思う。
- 1手番にできることを絞ることで、チェスや将棋をするような、待ち時間の少ない『交互プレイ』感があり。
- マイナスポイント。
- これといった弱点は、ない。
- 翻訳がやや弱めではある。
- プレイ人数。4人は少なめなので、こちらのRPGメンバー全員では遊べない。
ただしこれは『チェスは2人で遊べない』と言っているのと同じなので、わがままか(笑)
ご意見などがあれば。
Link: 日記/2012-05-05(2418d)