日記/2017-01-22
雑記:ボードゲームで没ったネタ。 †
先日イノベーションまわりの記事を書いていて、以前に検討していたモノを1つ思い出しました。
いろんな意味でいまさら採用することもないように思うので。
ここにメモ的に記録しておきます。
1980年代、ボードゲーム界隈でいわゆる『ツクダのアニメ再現戦闘級ゲーム』が結構な勢力を誇っていました。
その中でも一大勢力だったのが、『文字によるプロット・同時移動』を使うタイプ。
計画用シートに1ターンごと、自分の移動を記載して、全員が一斉に発表して移動する。
前進は『F』、右斜め前前進は『N』、左60度旋回は『l』、左120度なら『L』というように移動に文字を割当てて。
例えばこのターンには『FFFrF』(3へクス前進後右60度旋回して更に1へクス前進)・・・というように記載する、というもの。
その当時、友瀬が好きで読んでいた小説に、平井和正の『サイボーグブルース』という作品がありました。
作品自体は『機械でも人間でもない』サイボーグのあり方を描いた渋いドラマなんですが。
主人公は『超音速で移動できる警察サイボーグ』で、しばしば『犯罪者サイボーグ』と戦うことになっています。
その際の描写が、SF的に結構面白いのです。
曰く、超音速で移動していると、人間の反射速度では追いつけない。
そのため、音速サイボーグには必ず『電子頭脳』が内蔵されていて。
加速する場合、まず方針・命令を電子頭脳に叩き込んで、以降加速中は『電子頭脳による制御』で機動する。
・・・という感じ。
で、当時思った・考えたわけです。
この『超音速の戦闘』を、ツクダ的プロット戦闘ゲームにできないか、と。
ある意味『プロット』って、この『超音速サイボーグ』っぽい仕組みですよね:
当時、プロット方式については『パイロットは数秒間ごとに目をつぶって移動している』とか揶揄されていました:移動途中でいい位置についても移動キャンセルとかできないわけで。
でも、1ターンを人間の反射速度といわれる『0.1〜0.2秒』とかに刻むと、まさにかみ合う感じ。
臨機応変に動かないのではなく、人間には反射できない時間だから動けない。
ある程度の時間の行動を『事前に叩き込んで』動くのですから、
だけど同時に、これでは『超音速サイボーグ』っぽくはないとも思います:
0.1〜0.2秒ごとに、かなり複雑なことをできてしまうので。
ということを考えていて、作ったネタってのが『電子頭脳っぽいプログラム』ネタ。
1ターンあたりにプロットできる文字数は、1,2文字と極小にする。
これが『人間の反射速度の限界』です。
その代わり、ゲーム開始前に『プログラムを登録』しておいて、プロットとして『プログラム1を実行』を1文字のプロットで実施できるようにしておく。
例えば、プログラム1に『rFFFl(右60旋回→3マス前進→左60度旋回)』と登録しておく。
で、戦闘中にプロット『P1』とすると、上記プログラム1に事前登録してあるプロットを実施したのと同じ意味にする。
サイボーグ自身には『現在の速度』というパラメータをつけておいて。
プロットしていなければ、サイボーグは毎ターン速度分ずつ自動前進する。
人間の反射速度的には1文字くらいしか登録できないので、基本運転だと『(プロットした1文字分の)60度旋回→速度分前進』みたいな、すごく悠長な機動しかできない。
だけど、プログラムを使えばジグザグ走行とかも可能になる。
・・・とまあ、そんな感じで考えたのですが。
サイボーグブルースでは、戦闘サイボーグの武器はナイフくらい。
このルールではうまく『ナイフが届く距離に接近』することが難しすぎて、ゲームにならなかったんです(笑)
速度を目いっぱい落とせば可能なんですが、それはそれで音速サイボーグっぽくならないし。
今改めてこれを見てみると、Wings of War の行動カードにすごく似ている気がします。
個々のカードが、上記の『プログラム』に対応している、という意味で。
ご意見などがあれば。